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三四郎の日記

ゲームのプレイ日記や日々の備忘録

映写技師時代に体験した「終わったと思った事件3選」

デジタル映写機の進歩は目覚しいもので、大手シネコンの殆どはフィルム映写機からデジタル映写機に変わり、更には上映開始から終わりまで全てオートメーション化され、開館前に電源を立ち上げておけば後は自動的に一日のスケジュールをこなしてくれるまでに進化しました。そんな中で、フィルム映写機時代の片隅で映写技師をやっていた頃に体験した「あ、俺終わったな」と思った事件を紹介したいと思います。

 

第三位「レンズ変わってなかった事件」

映写機にはフィルムに対応した様々なレンズがあります。最もオーソドックスなので言えばFLATとSCOPEの二種類で、ビスタビジョンシネマスコープとも呼ばれてます。フィルム映写機では予告がFLATで本編がSCOPEの場合、パルスと呼ばれる銀紙をセンサーが感知して、レンズとスクリーンの調整を行うのですが、この銀紙は磨耗していくものでして、連続で上映しているとどんどん反応が悪くなっていくのです。

当時、新米でニュービーだった私はそんなことも露知らず、次のスケジュールをこなす事に必死だったので、30分以上レンズが変わっていない状態で放置した事がありました。無線で連絡入った時は、デスラー並に青ざめてたと思います。このあと滅茶苦茶しぼられた。

 

第二位「本編フィルムブチ切れ事件」

本編フィルムは最初から一本で送られてくるわけではなく、約20分程度を1巻としてバラで送られてきた物を一本に仕上げます。この時に巻と巻を繋ぐのに特殊なテープを使うわけですが、手作業なので気泡が入ったりして意外と大変です。しかもたまーに情報漏えいを防ぐために最終巻だけ前日に送られてきたりで、ぶっつけ本番に近いこともあったりします。ブチ切れ事件の時も実はこのパターンで、大急ぎで仕上げて試写を行った際に、テープの貼り付け具合が悪かったのかテープのゴミが詰まったのか、最後の巻に切り替わった瞬間、映写機が悲鳴を上げてフィルムがちぎれました。ついでに俺の心臓もちぎれてました。結果的に最終巻のみ全ボツになり、上映時間スレスレに送られてきた新品と差し替えて何とか上映出来ました。保険に入る重要性を知った。ちなみにこのあと滅茶苦茶しぼられた。

 

第一位「ランプ連続爆破事件」

映写機に使われるランプというのはキセノンランプというもので、ガラス管の中に特殊なガスを入れることによってランプの光度を上げて、尚且つ寿命も長いという代物です。ちなみに寿命は長いと言っても光度は下がっていくもので、大体は2000時間程度が交換目安となっています。ところが当時の我らが映画館はキングオブケチリストの集まりだったので「ランプは寿命が過ぎても一週間は交換するな!」という鉄の掟があったので、目安の2000時間は大幅に過ぎて交換してました。ここまで見たら後は分かると思いますが、ある日の上映中に2台の映写機のランプが立て続けに破裂しました。この時、俺の心臓も破裂してましたが、上司の胃はもっと破裂してたらしい。もうこの後はてんやわんやの大騒動で、総動員でお客さんにお詫びを申し上げ、俺はひたすらランプを持ってあっちこっち走り回ってました。用法用量はしっかり守りましょう。ちなみにこのあと上司は激ヤセしました。

 

以上が自分が体験した事件でした。

当時は色んなバイトや仕事をプラプラしてましたが、中でも貴重な経験だったなーと思います。最終的にデジタル映写機の導入に伴って映写部門はなくなってしまいましたが、フィルムにしか出せない味もあるので、このまま淘汰されていくのは些か寂しい気持ちになりますね。